遺贈寄付という選択
人は、最後にもう一度だけ、意志を表すことができる。遺言によって財産の一部を、自分が信じる活動へ遺す——それが遺贈寄付である。額の多寡ではなく、「何を残したかったのか」を形にする行為だ。philanthropist.jpは、その意志の設計と寄付先の選定に、中立の立場で伴走する。
遺贈寄付は、急がなくていい。まず初回相談(30分・オンライン)は無料で、いま考えていることを言葉にするところから始められる。当方は中立の立場を徹底し、特定の団体を勧めることも、紹介手数料を受け取ることもない。報酬はクライアントから受け取る定額の対価のみである。
| メニュー | 内容 | 期間目安 | 料金(税別) |
|---|---|---|---|
| 初回相談 | いまのお考えの整理と、進め方の見取り図の提示(30分・オンライン) | 随時 | 無料 |
| 遺贈先クイック調査 | 候補1団体の受入体制・財務・活動実績の要点メモ(出典つき) | 5営業日 | ¥50,000 |
| 遺贈先比較レポート | 候補3〜5団体の財務推移・受入ガイドライン・使途の比較+オンライン報告30分 | 2週間 | ¥150,000〜 |
| 遺贈設計サポート(伴走) | 意志の整理(遺贈方針書)・寄付先選定・家族との配分設計・提携専門家チームのコーディネート | 2〜3ヶ月 | ¥500,000〜 |
正式な金額は初回相談の後に書面で提示する。遺言書の作成・相続の法律事務は弁護士・司法書士・公証人、税務は税理士の領域であり、提携する専門家と協働する(下記「業務範囲・ご留意事項」参照)。財団設立や生前の寄付戦略とあわせて設計する場合はアドバイザリーの中で調整する。
遺贈寄付とは、遺言によって、自分の財産の全部または一部を、相続人以外の——多くは公益的な活動を行う——団体へ無償で譲ることをいう。生きているあいだに使い切る必要はなく、また家族への相続と両立させることもできる。「全財産を寄付する」ことではなく、「一部を、意志をもって社会へ向ける」ことが、現実の遺贈寄付のほとんどである。子のいない方、家族とは別に応援したい活動がある方、自らの来歴に報いたい方——動機はさまざまだが、共通するのは、人生の締めくくりに一つの意味を刻みたいという願いである。
「この口座の現金を」「この不動産を」というように、遺言で特定の財産を指定して遺す方法。何を遺すかが明確で、想定外の負担を避けやすい。
「財産の○分の1を」というように、割合で遺す方法。配分は柔軟だが、債務も割合に応じて引き継ぐため、設計には注意が要る。
遺贈ではなく、相続人が受け継いだ財産の一部を、故人の意志を継いで寄付する方法。一定の要件で相続税の対象外となる扱いがある。
遺言を待たず、生きているあいだに自分の目で見届けながら贈る方法。遺贈と組み合わせ、「いま」と「あとで」を設計することもできる。
(1)意志の整理。何のために、どの領域へ遺したいのかを言葉にする。(2)寄付先の選定。候補団体を調べ、受け入れ可否や使途を確認する。(3)財産と方式の設計。現金か現物か、特定遺贈か包括遺贈か、家族への相続との配分を決める。(4)遺言の作成。公正証書遺言などの形で、法的に有効な遺言を残す。(5)執行者の指定。遺言の内容を実現する遺言執行者を定める。(6)見直し。状況の変化に応じて、内容を更新する。
このうち、(1) 意志の整理と (2) 寄付先の選定、そして全体の設計に、philanthropist.jpは伴走する。(4) 遺言の作成や相続の法的手続は弁護士・司法書士・公証人の領域であり、税務は税理士の領域である。これらは提携する専門家と協働し、設計図を共有して、同じ説明を繰り返さなくて済むようにする。
日本財団が60〜79歳の男女2,000人を対象に実施した「遺言・遺贈に関する意識・実態把握調査」(日本財団、2021年)によれば、遺言書に遺贈を実際に記載している人は0.6%、「遺贈してみたい」と答えた人は2.5%にとどまる。一方、「財産があれば遺贈したい」「興味・関心はある」まで含めると、およそ5人に1人が遺贈に関心を持つ。同調査の2023年版では「遺贈」という言葉の認知は64.1%に達し、前回2021年調査から9.4ポイント上昇した(日本財団、2023年)。日本承継寄付協会の「遺贈寄付に関する実態調査」でも、遺贈寄付の認知度は直近2年間で10.5ポイント上昇して全体の6割を超え、70代では84.5%に達している(日本承継寄付協会、2025年)。言葉は広く知られ、関心層は厚い。それでも実行に移す人がごく少数にとどまる——このずれが、日本の遺贈寄付の現在地である。
先を行く英国の姿は、このずれが埋まったときに何が起きるかを示している。遺言検認データを集計するSmee & FordとLegacy Futuresの「Legacy Giving Report」(2025年版)によれば、2024年に英国のチャリティが遺産から受け取った寄付は約45億ポンドで前年比9%増、遺贈の件数は推計14万5,000件と過去最多を記録した。同報告の2026年版は市場規模を約44億ポンドと集計し、長期の年平均成長率を4.3%、2030年には51億ポンドに達すると見込む。英国では遺産寄付が、単発の善意ではなく、チャリティ収入の構造的な柱として制度と実務に組み込まれている。
翻って日本では、年間の相続資産の規模は約46兆円と試算され、多死社会の進行に伴い2040年には約51兆円まで拡大する見込みである(日本総研、2024年)。仮にその0.1%が非営利セクターに向かうだけで、年間数百億円の資金の流れが生まれる計算になる。誇張は要らない。関心と実行のあいだにある距離——遺言を書くという一手間、税制の理解、受け手との対話——を一つずつ縮めることが、この数字を現実に変える唯一の道筋である。資金の受け手をどう選ぶかについては効果的な寄付についての論考も参照されたい。
遺贈寄付の税制は「誰が」「何を」「いつ」渡すかで扱いが変わる。骨格は三つある。第一に、相続人が相続した財産を相続税の申告期限(相続開始を知った日の翌日から10か月)までに国・地方公共団体・特定の公益法人等へ寄付した場合、その財産は相続税の課税対象から外れる(租税特別措置法70条)。第二に、遺言によって不動産や株式など含み益のある財産を法人へ遺贈すると、時価で譲渡したものとみなして含み益に譲渡所得課税が生じ得る(みなし譲渡課税)。これは国税庁長官の承認を受ける措置法40条の特例により非課税とできる場合がある。第三に、受け手の側にも実務がある。不動産や非上場株式を受け入れられない団体は少なくなく、事前の相談を欠くと遺志が宙に浮く。詳細は寄付と税制の解説記事に譲り、ここでは全体の見取り図を示す。
| 場面 | 扱い | 主な要件・注意 |
|---|---|---|
| 相続人が相続財産を国・公益法人等へ寄付 | 寄付した財産は相続税の非課税(措置法70条) | 相続税の申告期限(10か月)までの寄付が要件。寄付先は国・地方公共団体・公益社団財団法人・認定NPO法人など特定の法人に限られ、申告書に明細と受領証明の添付が必要 |
| 遺言で不動産・株式を法人へ遺贈 | 含み益にみなし譲渡所得課税が生じ得る(納税義務は相続人側の準確定申告に帰属) | 公益法人等への寄付で公益の増進に著しく寄与し、原則2年以内に公益目的事業の用に供されること等を満たし国税庁長官の承認を受ければ非課税(措置法40条)。承認手続には時間を要する |
| 公益法人等への遺贈そのもの | 法人への遺贈は原則として相続税の課税対象とならない | 相続税は個人への課税が原則のため。ただし親族等の税負担を不当に減少させると認められる場合は法人に課税され得る(相続税法66条4項) |
| 受遺団体側の受入れ | 現金以外は受け入れ可否が団体により異なる | 不動産・非上場株式は受入れ不可の団体も多い。換価(清算)型遺贈の設計や、遺言作成前の受遺団体への事前相談が実務上の要点 |
※本節は一般的な情報提供であり、個別の税務助言ではない。適用の可否は財産の構成や寄付先により異なるため、実行前に必ず相続税に明るい税理士に確認されたい。
子のいない夫婦の場合、一方が亡くなれば配偶者と被相続人の兄弟姉妹が相続人となるが、兄弟姉妹には遺留分がない。そこで夫婦がそれぞれ遺言を作成し、後に残った側の死後、自宅を遺言執行者が売却して現金化し、諸費用を除いた残額を福祉団体へ寄付する「換価(清算)型遺贈」を設計する。不動産のまま受け取れない団体が多いという実務の壁を、換価の一手で越える型である。
上場企業の創業者が、保有株式のうち経営権に影響しない一部を、生前に設立した財団と母校の大学に遺贈する設計。株式の遺贈はみなし譲渡課税の論点を伴うため、措置法40条の承認を前提に、受け手の受入れ体制と議決権の扱いを生前に詰めておく。配当が毎年の助成原資となり、一度の遺贈が継続する事業に変わる。株式による寄付の設計は創業者株式の寄付についての論考で詳述している。
相続人のいない単身の女性が、財産を個別に列挙する代わりに「全財産のうち3割をA団体、3割をB団体、4割を甥に」と割合で指定する包括遺贈を選ぶ設計。財産構成が将来変わっても遺言の書き直しを要しない一方、包括受遺者は債務も割合に応じて承継するため、団体側が受けやすいよう債務整理後の残余を対象とする文言を整える。団体が先に解散していた場合に備え、次順位の受遺者を定める予備的遺言も添える。
※いずれも実在の事例ではなく、一般的な論点を示すための設計例である。
Q. 少額でも遺贈寄付はできるのか?
できる。遺贈に最低額の定めはなく、数万円の現金でも、財産の1%という割合指定でも遺言に記せる。金額の多寡よりも、遺志が確実に届く設計——受遺団体の特定、遺言執行者の指定——のほうが重要である。
Q. 家族との関係や遺留分はどう配慮すべきか?
配偶者や子には法律上保障された最低限の取り分(遺留分)があり、これを侵害する遺贈は後日、遺留分侵害額請求の対象となり得る。兄弟姉妹には遺留分がない。遺留分を侵害しない範囲で設計することに加え、可能であれば生前に家族へ意図を伝えておくことが、遺志と家族の平穏の両方を守る。
Q. 遺言を書いた後、寄付先の団体が解散していたらどうなるのか?
受遺者が遺言者より先に消滅していれば、その部分の遺贈は効力を失い、財産は相続人に帰属する。これを避けるには、「A団体が解散している場合はB団体に遺贈する」と次順位を定める予備的(補充)遺言を書いておく。長い時間を挟む遺贈寄付に固有の、しかし一文で解決できる論点である。
Q. 寄付の使途は指定できるのか?
指定できる。「奨学金事業に」「災害救援に」といった使途の指定は多くの団体が受け入れている。ただし細かすぎる指定は、事業環境の変化により実行不能となり、受入れ自体を断られる原因にもなる。大きな方向を示しつつ運用は団体に委ねるのが実務的で、遺言作成前に団体へ相談しておくのが確実である。寄付先の候補は団体データベースで比較できる。
Q. 遺言執行者は誰に頼むべきか?
遺贈寄付を含む遺言では、遺言執行者の指定が事実上不可欠である。相続人を指定することも法律上は可能だが、寄付に利害の絡む立場に執行を委ねるのは負担も軋轢も大きい。弁護士・司法書士・信託銀行など第三者の専門家を遺言内で指定し、報酬の定めも書いておくのが定石である。個別の相談はこちらから受け付けている。
Q. 一度書いた遺言はいつ書き換えられるのか?
いつでも、何度でも書き換えられる。遺言は撤回自由が原則であり、公正証書遺言であっても後の遺言で変更できる。内容が抵触する場合は日付の新しい遺言が優先する。財産構成や家族の状況、団体への信頼は変わり得るのだから、数年ごとに見直す前提で、まず現時点の最善を一度書いておくことが出発点になる。
当方が担うのは、「何のために遺すのか」という意志の設計と、それにふさわしい寄付先の選定、そして専門家チームのコーディネートである。中立であることを徹底し、特定の団体や金融商品を勧めることはせず、紹介手数料も受け取らない。報酬はクライアントから受け取る定額の対価のみである。
料金目安は50万円〜(税別)。意志の整理と寄付先選定の範囲によって変動し、戦略策定や財団設立とあわせて設計する場合は全体の中で調整する。正式な金額は初回相談の後に書面で提示する。
本ページは2026年7月時点の一般的な情報提供を目的とし、特定の寄付先・方式を推奨・勧誘するものではない。制度・税務の詳細は改正もありうるため、弁護士・司法書士・税理士等の専門家に確認されたい。