寄付を一度の行為で終わらせず、構造として持続させたいと考えたとき、「器」の問いが立ち上がる。財団を作るべきか。それとも、既存の財団の中に自分の基金を持てば十分か。答えは資産規模だけでは決まらない。何年続けたいのか、誰に引き継ぎたいのか、どこまで自分で関与したいのか——意志の設計が先で、器の選択はその後である。

四つの選択肢

直接寄付。最も軽く、最も速い。器を持たない代わりに、継続性は本人の意志だけに依存する。テーマが定まる前の「学習期」には、むしろ直接寄付を重ねることが最良の設計であることも多い。

冠基金。コミュニティ財団等の既存財団の中に、自分の名前(または任意の名前)を冠した基金を設ける方法。法人設立も事務局運営も不要で、数百万円規模から始められる。財団運営の実務は受け入れ先の財団が担い、寄付者はテーマと配分の意思決定に集中できる。スモールスタートの定石である。

一般財団法人。拠出財産300万円以上で設立でき、目的・事業・ガバナンスを自分で設計できる自前の器。税制優遇は限定的だが、設計の自由度が高く、公益認定への足がかりにもなる。

公益財団法人。公益認定を受けた財団。寄付者への税制優遇と社会的信用は最も大きいが、公益目的事業比率や収支相償など、継続的な規律が求められる。認定のハードルは高く、最初から公益を目指すか、一般財団として実績を作ってから移行するかは、慎重に判断すべき論点である。

提供する支援

第一に、器の選択の整理。上の四つ(およびその組み合わせ)を、資産規模・テーマ・家族構成・関与の度合いに照らして比較検討し、判断の根拠を文書化する。

第二に、全体設計。財団を選ぶ場合、定款に書く目的、当初の事業構成、評議員・理事・監事の人選方針、意思決定の設計を、設立者の意志から逆算して組み立てる。公益認定を視野に入れる場合は、認定基準を踏まえた事業設計の助言を行う。

第三に、専門家チームとの協働。定款認証・設立登記は司法書士・行政書士、税務は税理士、法的論点は弁護士の領域である。すでに信頼する専門家がいればその方々と、いなければ提携専門家と連携し、設立者が各専門家に同じ説明を繰り返さなくて済むよう、設計図を共有する。

進め方

標準的には三段階。(1)意志の言語化——戦略策定メニューと同様のインタビューを通じ、財団が担うべき目的を定める(1〜2ヶ月)。(2)設計——器の選択、定款・事業・ガバナンスの設計、専門家チームの組成(1〜2ヶ月)。(3)設立と立ち上げ——法定手続は専門家が遂行し、当方は全体の整合性と、設立趣意書をはじめとする文書群の品質に責任を持つ(2〜3ヶ月)。

費用は設計の範囲によって異なるため、初回相談の後に個別に提示する。法定手続にかかる専門家報酬・実費は別途である。

業務範囲について

  • 登記申請書類・官公署提出書類の作成代理は行わない(司法書士・行政書士の業務)
  • 税額計算・税務スキームの個別助言は行わない(税理士の業務)。税制の一般的な情報提供にとどめる
  • 定款の法的審査・紛争性のある案件は行わない(弁護士の業務)
  • 当方の役割は経営・戦略コンサルティングおよび編集・制作であり、法定業務はすべて提携専門家と協働する

本ページは一般的な情報提供を目的とし、特定の制度利用を勧誘するものではない。制度の詳細は各専門家に確認のこと。