いくら、どこへ、どう与えるか。この問いに先んじて答えるべき問いがある。なぜ自分は与えるのか、である。戦略策定は、その根の問いから始める。手段や金額の議論を急がず、まず与える理由そのものを言語化する。すべての伴走支援の入口であり、ほかのメニューはここで定めた軸の上に立つ。

なぜ戦略から始めるのか

テーマを定めずに始めた寄付は、しばしば依頼の多さや時々の話題に流される。年が変わるごとに対象が変わり、振り返ったときに一本の筋が見えない。逆に、与える理由が言葉になっていれば、何を引き受け何を断るかの判断が速くなり、断ること自体が苦痛でなくなる。戦略とは制約ではなく、迷いを減らすための地図である。

インタビューという方法

方法の中心は、2〜3回にわたる対話型のインタビューである。事業の成功譚を聞くためではない。どんな原体験が価値観を形づくったのか、何に怒りや痛みを感じてきたのか、誰に何を返したいと思っているのか——そうした、ふだん言葉にしない領域へ降りていく。聞き手は判断を急がず、本人のなかにすでにある像を、輪郭が立つまで一緒に確かめていく。

成果物——ステートメントとロードマップ

対話から、二つの成果物を組み立てる。ひとつはフィランソロピー・ステートメント——なぜ与えるのか、どの領域に、どんな姿勢で関わるのかを定めた、一枚の背骨となる文書。意思決定に迷ったとき立ち返る基準になる。もうひとつは実行ロードマップ——テーマの仮説、ふさわしいビークル(直接寄付・冠基金・財団など)の比較検討、最初の数年で踏むべき段階を、無理のない順序で示したもの。

進め方

標準的には、初回相談を経て契約後、2〜3回のインタビュー(各回のあいだに振り返りの時間を置く)、その後にステートメントとロードマップの草案を提示し、対話を通じて推敲する。全体でおおむね1〜2ヶ月。出来上がった文書をもとに、財団設立や寄付先調査など次の段階へ進むかは、本人が決めればよい。

費用

料金目安は150万円〜(税別)。インタビューの回数や成果物の範囲によって変動するため、正式な金額は初回相談の後に書面で提示する。報酬は定額のみで、寄付額に連動する成功報酬や金融商品の販売手数料は一切受け取らない。なお、先にステートメント診断(20万円・固定)を受けた場合は、その費用を全額このメニューに充当する。